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剛毛も、軟毛も…髪質を変える方法はある?

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剛毛も、軟毛も…髪質を変える方法はある?

sec.1 髪質、髪の硬さは何で決まるの?

髪質を決める要素は大きく分けて、次の3つです。

● キューティクル(毛表皮)
● コルテックス(毛皮質)
● メデュラ(毛髄質)

それぞれの要素について詳しく説明しましょう。

キューティクル(毛表皮)
毛髪の最も外側にある層で、毛髪の表面を覆っているものです。外部のダメージから内部を守り、髪のタンパク質や水分が奪われないよう保護します。また、髪にツヤを与える役割もあり、キューティクルを健康的に保つことで髪がキレイに見えると言われています。
コルテックス(毛皮質)
キューティクルのひとつ内側にある層で、毛髪の構造の80~90%の割合を占めています。弾力性に優れており、太さ・硬さ・強度など毛髪の性質を左右します。コルテックスはメラニン色素を含んでいるので、地毛の色合いを決める部分でもあります。薬品やパーマ剤の影響を受けやすく、コルテックスが損なわれると髪にツヤがなくなったり水分調整機能が下がったりすることがあります。
メデュラ(毛髄質)
メデュラは毛髪の芯を指します。通常は空洞となったハチの巣状の細胞が並んでいますが、人によって形状はさまざまです。太くてしっかりしている毛髪ほどこのメデュラの割合が多く、逆に産毛や幼児のような細い毛髪にはメデュラはありません。
髪質を決める3つの要素は遺伝する
ここまで紹介した、キューティクル・コルテックス・メデュラの3つの髪質を決める要素は、遺伝します。とくにクセについては優性遺伝するため、両親の片方がクセのない髪質であっても、もう片方に癖があった場合、高い確率で髪のクセが子供に引き継がれます。これらの髪質の基礎知識をふまえて、剛毛と軟毛といった髪質ごとの特徴や、自分でできる簡単な見分け方を確認しましょう。

sec.2 剛毛と軟毛の特徴と見分け方(セルフチェック)

まず剛毛と軟毛それぞれの特徴を確認し、自分の髪質がどちらかを見分けるチェック方法を紹介します。

剛毛の特徴
剛毛と呼ばれる髪質は、一本一本が硬く、丈夫な髪が特徴です。毛量が多い、また髪が太い場合にも剛毛に分類されます。

剛毛はタンパク質との結合が頑丈で、キューティクルに隙間がなくコシもあるため、とても健康的な状態です。一方でカールなどがかけづらく、太いゆえにゴワゴワして扱いにくい場合があります。

誤解されやすいですが、剛毛=クセ毛、というわけではありません。
軟毛の特徴
軟毛とは髪の一本一本が細く、柔らかい髪質を指します。キューティクルに厚みがなく、メラニン色素が少ない点が特徴です。キューティクルによる保護が弱いため枝毛になりやすく、全体的にダメージを受けやすい髪質です。またメラニン色素が少ないため、髪の色が薄めになっていることも特徴です。
髪質をセルフチェックで見分ける
自分は明らかに剛毛だ、あるいは軟毛だといった人だけでなく「どちらかわからない」という人もいることでしょう。自分でできる髪質チェック方法をいくつかご紹介します。

まず髪の毛を1本抜いて、両端をそれぞれ両手の指でつまんで髪を水平にし、片方の手を離します。このとき髪が水平のままなら丈夫な剛毛、手を離したほうが下に垂れるようなら繊細な軟毛だとわかります。

また、多少の長さが必要ですが、クセのつきぐあいでも見分けられます。

まず、抜いた髪の毛を片方の指にくるくると1~2周巻きつけます(長さによるので巻ける範囲でOK)。巻いた状態のまま指で押さえて5~10秒ほどおき、手を放します。髪の毛がすぐにピンとまっすぐ伸びた状態に戻るなら剛毛です。巻いた形のまま動かない、あるいはゆるいカールのようなクセが少し残るなら軟毛です。

最後のチェック方法です。今度は両方の指でつまんだ髪を左右に引っ張りましょう。力を入れて引っ張ると切れるなら剛毛、横方向に少し伸びてなかなか切れないなら軟毛です。

さて、自分の髪質がわかったところで、それぞれの髪質に合ったヘアケア方法を知りましょう。

sec.3 剛毛を柔らかく見せる方法

まずは剛毛の場合、どのようなケアをすれば扱いやすい髪質になるか、そしてやわらかい印象を与えられるかを見ていきましょう。

生まれ持った髪質を変えることはできません。加齢やホルモンの減少の影響で髪が細くなり、剛毛が多少緩和されることはあるかもしれませんが「髪質が変わる」というほどではありません。

ですが、ヘアケアによって比較的、柔らかい毛質に近づけることはできます。また、カラーリングで印象を変え、柔らかい髪に見せることもできます。

剛毛の髪をいたわるヘアケア
剛毛の髪をいたわるヘアケア

剛毛特有の硬い髪。それ以上硬くしないためのヘアケアとしては、3つの方法が挙げられます。

■ アミノ酸系統のシャンプーを選ぶ
タンパク質に影響を与えないアミノ酸系統のシャンプーなら、剛毛の扱いづらさを解消しながら、健やかな頭皮環境を作ることができます。
■ トリートメントで保湿する
トリートメントは髪のダメージケアに欠かせない成分を含んでいます。髪の水分を保ってくれるので、硬い髪の毛を柔らかく見せたい人にはおすすめです。
■ ドライヤーは低温にして髪を乾かす
ドライヤーの熱により髪の水分量が少なくなると、乾燥してさらに硬い髪になります。そこで60℃以下のやや低温の温風で髪を乾かし、熱によるダメージを抑える方法です。低温ドライヤーは頭皮にもやさしいので、皮脂の過剰分泌やフケなどのトラブルも予防できます。
柔らかく見せるカラーリング

髪を硬くしないためのヘアケアも大切ですが、見た目のイメージも大切です。ヘアカットやカラーリング次第で、ボリュームのある剛毛も柔らかく見せることができます。

■ ヘアカラーはアッシュとグラデの組み合わせが吉
髪が太くしっかりした人はカラーリングの色が出にくいので、繊細なアッシュ系のカラーとは相性の悪い傾向にあります。ですが、毛先に向かってグラデーションカラーに仕上げると、アッシュカラーをキレイに、自然に強調できます。硬い髪が柔らかい見た目になり、かなり印象を変えてくれる組み合わせです。
■ 手間の少ないマッシュも剛毛にピッタリ
剛毛の男性に多い髪型として、前髪を上げたアップスタイルやベリーショートが重宝されています。ですが短髪は苦手だという人、ある程度の長さがほしいけどセットが面倒と悩んでいる人にはマッシュスタイルがおすすめです。
マッシュとは、髪の表面に段差をつけ、顔の輪郭に沿って包み込むようなフォルムをつけた髪型のこと。髪のボリュームを抑えてくれる上に動きが出るので、見る人に軽くてふんわりしたイメージを与えます。

もともと髪にコシのない人や軟毛の人に人気の高い髪型ですが、実は毛量が多くて硬い剛毛の人にもピッタリな汎用性の高いヘアスタイルです。サイドのボリュームが気になる場合はツーブロックと組み合わせるのもアリです。

剛毛の人は毛をさらに硬くしないために髪を良いコンディションで維持する努力と、ヘアスタイルやカラーで柔らかい印象を持たせる工夫が必要です。これだけで「硬い剛毛」のイメージは軽減されます。積極的に実践してみてください。

sec.4 軟毛(猫っ毛)の人は下準備とスタイリング剤選びが大切

一方で軟毛(猫っ毛)の人はどのようなケアが必要なのでしょうか。こちらもスタイリング剤選びのポイントなどともに見ていきましょう。

軟毛の人は髪の毛が細くて柔らかいうえ、弾力が低いためボリュームを出しづらいのが難点です。この「猫っ毛」とも呼ばれる髪質は、ウェーブ・束感を演出してもスタイリング剤や髪の重さに負けてしまいます。軟毛の人は、しっかりした下準備とスタイリング剤選びが重要になります。

下準備
■ ドライヤー
軟毛の人はセットの際にドライヤーでしっかりと乾かしましょう。また、髪が濡れたままスタイリング剤をつけると、髪の水分とともに蒸発して、キープ力が弱くなりますので、乾かしてから使います。
■ ピンポイントパーマをかける
パーマはある程度のクセがつくのでセットが楽になります。スタイリング剤の量も抑えられ、セットにかかる時間も大幅に短縮できます。効果的なだけでなく、手間を大きく省ける方法です。
スタイリング剤選び
軟毛の場合、髪型自体は作りやすいのでスタイリング剤選びが重要になります。
ショートヘアで毛束感を演出したいなら、質感の軽いマット系統のワックスがピッタリです。

ロングヘアは髪の重さでボリュームを損なわないよう、根元を立ち上げるようにブローをかけましょう。どうしてもボリュームが長持ちしない場合は、トップの髪の根元を逆立ててハードスプレーを使うのもおすすめです。

軟毛の人は全体的にダメージや重さに弱いので、ボリュームを出すための工夫が重要になります。スタイリング剤やパーマなどを上手に利用しましょう。

sec.5 軟毛の人におすすめの髪型

軟毛の人は髪の毛が柔らかいこともあり、なかなかボリュームを出すことが難しいです。そこで、髪を短くすれば、軟毛でも簡単にボリュームをだすことができます。

ベリーショート
ベリーショートは、眉毛・耳・額が髪で隠れないくらいの長さの髪型です。髪の毛をとても短くする髪型なので、軟毛の人でもワックスを使って簡単に髪を立たせることができます。とはいっても、軟毛の人は髪型を維持しにくいため、セットするときはハード系もしくはマット系のワックスを使用しましょう。

ワックスをつけるときは、髪の毛先から中間までを目安にしてください。あまり根元につけると、ワックスの重みで髪が立たせにくくなります。
ショート×パーマ
ショートは、眉毛が隠れるくらいの前髪に襟足ともみあげを短くカットした髪型です。ベリーショートよりも髪の量を多く残しますが、軟毛の人はボリュームが出せずにペタンとしがちです。そこで、パーマをあてることで、毛先に動きをつけることができ、軟毛の人でもボリュームをだすことができます。

パーマのスタイリングをするときは、ワックスではなくムースを使いましょう。パーマを当てた髪は水分によって動きがでるため、水分がたっぷり含まれたムースが適切なのです。

sec.6 髪質と上手く付き合おう

髪質と上手く付き合おう

いかがでしたか。剛毛も軟毛も、日ごろのヘアケアとスタイリング方法の工夫次第で、それぞれ扱いやすく、また自分のイメージに近づけることができます。

また、今の自分の髪質を「欠点だ」とは思わないことも大事です。

剛毛は活き活きとした、元気のある髪に見えますから、ジェルでカチッと固めたショートヘアなどを選ぶとますます好印象になります。 軟毛はスタイリングやカラーリングで繊細なニュアンスを表現しやすく、少し長めにして毛先を遊ばせる、パーマに挑戦するなどでいろいろなアレンジを楽しめるでしょう。

まずは自分の髪質とうまくつきあっていくこと、扱いづらさは解消しながら長所を活かしていくことを意識するのが重要です。自分の髪質にあわせたヘアケア方法で正しいアプローチをして、自分に似合うヘアスタイルを楽しみましょう。

この記事の監修
アンファー株式会社

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